●最近のマンション動向
近畿圏のマンションの価格動向(平成11年〜平成16年)をみますと、新築マンションは、平均価格・平均単価が下落していますが、平均専有面積は広くなってきており、近時のマンションブームで、契約率は持ち直してきています。一方、中古マンションは、平均価格・平均単価は下落していますが、成約率はあがってきています。
また、最近目立つのが、大阪市内にタワーマンションが出てきたことです。これはなぜかと言いますと、大阪市内に人口を呼び戻そうという事で、大阪市が容積率を緩和した。それに対してマンションディベロッパーの目論見と需要が合致したためです。タワーマンションには、利便性、眺望・景観、様々な共用施設の充実の3つがあり、この3つが、爆発的に需要を呼んでいます。
さらにマンションは30年以上前から供給されてますが、どんどん進化しています。専有部分については、専有面積が確実に拡大し、室内の設備が非常に進化しています。それから共用部分についても変貌してきており、カラオケルームやゴルフレッスンルームなど、こんなものがあるのかと思うぐらいに揃ってきています。
●中古マンションの防衛策
そこで、中古マンションの防衛策として、まず「管理の前に危機管理(意識)」をもつことです。ここまで新築マンションがどんどん変貌して進化して供給されている事がわかれば、ぼやぼやしておれません。
新築マンションと中古マンションの違いは、新築はモデルルームしか眼中にありませんが、中古は共有スペースがさらけだされています。購入の決め手になるのは、共用部分の状態なんですね。
それから、管理はこれで決まる3大ファクターとして、関心度、コミュニケーション、お金の3つがあります。3つのファクターですが順番があります。恋愛と一緒で、まず関心から始まり、コミュニケーションにいく。それからお金となります。だから管理も同じで、皆がマンションに関心を示せば、コミュニケーションができ、理事会や総会でも、お金のかけかたを真剣に考えていくようになると思います。
そして「マンション履歴システムの構築」ですが、昨年1月にマンションの標準管理規約が改正され、管理組合の業務に修繕等の履歴情報の整理及び管理が追加されました。具体的なマンション管理に国も乗り出したわけです。運営担当を委託された財団法人マンション管理センターは、データベースに登録された管理情報から、良好な管理をしているところに「優良管理マンション」としてインターネットで広く周知していきます。自分たちが、いい管理をしていることを認めてもらいたいと思えば、私は積極的にこの仕組みに乗って、勝ち組マンションのパスポートをもらうのが得策なような気がします。そして優良管理マンションになることが、究極の資産価値の維持になると思います。
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