委託管理から突然、自主管理に
価値ある経験を経てまた委託管理へ
今回は、委託管理から自主管理、そしてまた委託管理へ移行しようとしている生野区の勝山東ガーデンハイツを訪問。その経緯などをお話しいただき、自主管理のむずかしさ、問題点、さらに成果などもお聞きしました。
● 大幅な管理費アップが自主管理への引き金に
勝山東ガーデンハイツが自主管理を始めたのは、平成6年4月。きっかけは、昭和56年竣工当初から業務を委託していた管理会社が突然、委託費の大幅値上げを提示してきたことからです。
委託契約は、1年更新で行っており、値上げは平成元年に1回実施し、その後は管理会社からの打診はあったものの、結果的には組合が現状維持をお願いし、据え置きとなっていましたが、平成6年2月に管理会社から1住戸の月額管理費平均8,100円に対し一律5,000円の大幅値上げが提示されました。
管理組合としては前年度に大規模修繕工事に伴う一時金(1戸平均50万円)を徴収していることから管理費値上げ案を所有者に提示しにくい状況があり、管理会社に対して大幅値上げをしなければならない明確な回答を求めました。
しかし結果的には管理会社からは回答がないなかで、契約更新は行われず、管理について何も分からないまま自主管理に突入したというのが実態です。
委託契約は、1年更新で行っており、値上げは平成元年に1回実施し、その後は管理会社からの打診はあったものの、結果的には組合が現状維持をお願いし、据え置きとなっていましたが、平成6年2月に管理会社から1住戸の月額管理費平均8,100円に対し一律5,000円の大幅値上げが提示されました。
管理組合としては前年度に大規模修繕工事に伴う一時金(1戸平均50万円)を徴収していることから管理費値上げ案を所有者に提示しにくい状況があり、管理会社に対して大幅値上げをしなければならない明確な回答を求めました。
しかし結果的には管理会社からは回答がないなかで、契約更新は行われず、管理について何も分からないまま自主管理に突入したというのが実態です。
● 参考になった管理組合団体からのアドバイス
自主管理に突入した年度は、大規模修繕工事が8月から実施という難問が目前にせまっていました。維持管理業務の手順が分からないなかで、当時の理事会(男性3名、女性4名で構成)は、自主管理については56戸の居住者が役員を一巡する期間は頑張ってみようと言うことに決定。まさに荒海の波が押し寄せるなかでの「自主管理丸」の船出でした。
ただ幸いなことに、居住者の進言で、平成2年に管理組合団体に加入していたことで、その管理組合団体からのアドバイスを受け、自主管理への足がかりがつかめました。
大規模修繕工事については、平成3年度に修繕委員会を発足し、設計・工事監理は前年度の準備時点から専門家団体へ委託する総会決議になっており、問題なく実施されました。
ただ幸いなことに、居住者の進言で、平成2年に管理組合団体に加入していたことで、その管理組合団体からのアドバイスを受け、自主管理への足がかりがつかめました。
大規模修繕工事については、平成3年度に修繕委員会を発足し、設計・工事監理は前年度の準備時点から専門家団体へ委託する総会決議になっており、問題なく実施されました。
● 自主管理の運営に大きな役割を果たした広報紙
自主管理を開始して半年間は、週1回の当番制で居住者全員が清掃を行い、その後、居住者の紹介で清掃業者に委託(週2回ごみ収集日)。
設備点検は専門家団体へ相談し、業者を紹介してもらったり、植木剪定はシルバー人材センターへ委託したりと、いろいろな経験を重ね、今日まで何とか自主管理が続けられてきたのです。そうしたなかで、マンション管理は多岐にわたり繁忙であり、自主管理となると役員に過剰な負担がかかり過ぎ、また役柄でも不公平感が生じるなどさまざまな問題が出てきます。しかも、居住者も建物と共に高齢化し、自主管理するだけのエネルギーのある役員を確保することが難しくなってきた こうした経緯から再び委託管理へと移行することになったのです。
管理業者の選定については、自主管理の経験や大規模修繕工事のとき専門家団体で指導してもらった知識をヒントにして、単に見積額の高い安いでなく、マンションの実情、居住者の意向に合うことをポイントに置いています。
ところでこの管理組合では自主管理期間中に理事会内容やお知らせを中心とした広報紙「ふぁみりぃしんぶん」を、発行。平成5年当初は手書きだったものが、66号を迎える今日では、プロ顔負けのカラー広報紙に発展しています。また、大規模修繕工事期間中には、修繕委員会発行の広報紙「マンション元気村」も発行。建物も居住者も元気で暮らそうというわけで、公募によるこのネーミングに決まったそうですが、両紙とも、情報の公開、共有面で、自主管理の運営に大きな役割を果たしてきました。
その大規模修繕工事の共用部分リフォームで、マンションの高齢化を先取りしたスロープ改修が、(財)日本住宅リフォームセンター主催のリフォームコンクールで見事、尚明賞(しょうあきらしょう)を受賞。この修繕の提唱者は広報紙の提唱者でもある居住者の一人で、交通事故で故人になられましたが、この方の先見性は高齢化の勝山東ガーデンハイツで、今、大いに役立っています。そして、この秋に自主管理から委託管理に移行すべく臨時総会開催を準備中ですが、その経験は、居住者各自にマンション管理の大切さを実感させ、いくつもの大きな成果を生み出したのです。
マンション概要 所在地:大阪市生野区巽北4-13-23
設備点検は専門家団体へ相談し、業者を紹介してもらったり、植木剪定はシルバー人材センターへ委託したりと、いろいろな経験を重ね、今日まで何とか自主管理が続けられてきたのです。そうしたなかで、マンション管理は多岐にわたり繁忙であり、自主管理となると役員に過剰な負担がかかり過ぎ、また役柄でも不公平感が生じるなどさまざまな問題が出てきます。しかも、居住者も建物と共に高齢化し、自主管理するだけのエネルギーのある役員を確保することが難しくなってきた こうした経緯から再び委託管理へと移行することになったのです。
管理業者の選定については、自主管理の経験や大規模修繕工事のとき専門家団体で指導してもらった知識をヒントにして、単に見積額の高い安いでなく、マンションの実情、居住者の意向に合うことをポイントに置いています。
ところでこの管理組合では自主管理期間中に理事会内容やお知らせを中心とした広報紙「ふぁみりぃしんぶん」を、発行。平成5年当初は手書きだったものが、66号を迎える今日では、プロ顔負けのカラー広報紙に発展しています。また、大規模修繕工事期間中には、修繕委員会発行の広報紙「マンション元気村」も発行。建物も居住者も元気で暮らそうというわけで、公募によるこのネーミングに決まったそうですが、両紙とも、情報の公開、共有面で、自主管理の運営に大きな役割を果たしてきました。
その大規模修繕工事の共用部分リフォームで、マンションの高齢化を先取りしたスロープ改修が、(財)日本住宅リフォームセンター主催のリフォームコンクールで見事、尚明賞(しょうあきらしょう)を受賞。この修繕の提唱者は広報紙の提唱者でもある居住者の一人で、交通事故で故人になられましたが、この方の先見性は高齢化の勝山東ガーデンハイツで、今、大いに役立っています。そして、この秋に自主管理から委託管理に移行すべく臨時総会開催を準備中ですが、その経験は、居住者各自にマンション管理の大切さを実感させ、いくつもの大きな成果を生み出したのです。
建築年 | 昭和56年(1981年) | 構造・規模 | 56戸(住居53戸、店舗3戸) |
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棟数・戸数 | 7棟・980戸 | 戸当たり面積 | 平均約61平方メートル/戸 |
駐車場台数 | 19台 | 駐輪場台数 | 自転車102台(高齢者14、子供9、大人79)バイク8台 |
付属施設 | 管理員室 | 賃貸戸数 | 住居2戸、店舗1戸 |
役員任期 | 1年(ただし再任は妨げない) | 役員数 | 7人 |
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選出方法 | 各階推薦 | 理事会開催回数 | 2回/月 |
総会開催回数 | 1回/年 |