建築物を安全に保つためには適切な維持管理が重要です。定期報告制度は、建築基準法第12条で定められている制度であり、特殊建築物等(※1)の所有者・管理者(※2)は、建築物や建築設備、昇降機などが適切に維持管理されているかを定期に有資格者に調査・検査させ、その結果を特定行政庁に報告することが義務付けられています。(概略については下記の表をご参照ください。)特殊建築物等定期調査については3年に1度(建築設備、昇降機などは1年に1度)の報告が義務付けられており、共同住宅については平成30年度が次回の報告年度となっています。平成20年4月1日に定期報告制度が改正され、定期調査項目、調査方法、判定基準が国土交通省告示に明記されるなど内容が厳格化され、報告内容も詳細化されています。定期報告を通じて日常の安全性をチェックし、未然に災害を防止するよう維持管理につなげてください。
名称 | 対象となる条件 | 頻度 | 点検者 | 点検設備等 |
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特殊建築物等定期調査 (共同住宅の場合) | 地上3階以上で1000m2を超えるもの又は、地上5階以上で500m2を超えるもの | 1回/3年 | 1級、2級建築士、 特殊建築物等調査資格者 | 敷地、構造、 防火、避難など |
建築設備定期検査(※3) | 非常用EVを設置するもの | 1回/1年 | 1級、2級建築士、 建築設備検査資格者 | 換気設備、 排煙設備、 非常用照明装置 |
昇降機定期検査報告 | 昇降機の有る建物 | 1回/1年 | 1級、2級建築士、 昇降機検査資格者 | 調速器試験、 非常止め試験、 油圧試験など |
- ※1
- 特殊建築物とは、劇場・百貨店・マーケット・旅館・ホテル・病院・共同住宅・寄宿舎など不特定多数の人々が利用する建築物のこと。
- ※2
- 分譲マンションの場合、管理組合(代表者)が報告者となります。
- ※3
- 建築設備定期検査は非常用エレベーターが設置されている共同住宅で、住戸以外の共用部分に設置されている設備が対象となります。