総会運営のポイントをご紹介します。
- Q
- 総会の招集はどのようにすればいいですか?
- A
-
管理組合の総会は、少なくても毎年1回開く管理者(一般的には理事長)が区分所有者全員に呼びかけて開催しますが、これは少なくとも集会日の1週間前に会議の主な事項を明示して通知しなければなりません。しかし昨今のように共働き家庭が増えたり、居住していない区分所有者がいる状況では、もっと早めに通知したほうが得策です。
通知内容の主な事項としては、総会の日時・場所・議案の内容を明記します。この議案については、議案書の作成が必要ですが、同時に区分所有者全員から出欠の返事(欠席の場合は委任状)をもらい、返事が集まらないときは事前に督促をします。
議案書の作成が間に合わない場合は、まず議題だけを前もって通知し、区分所有法(法35条)が定める1週間前までに議案書を提出してもいいでしょう。ただ、居住していない区分所有者らには、委任状を郵送してもらうことが多いので、開催の2週間前には議案書、委任状(代理人選任通知書)、議決権行使書、出欠確認書なども添えて通知しておくことです。
<ワンポイントアドバイス>
総会を欠席する場合は、代理人を選び、その人に議決権を委任することになりますが、最初から委任状の代理人の欄に理事長や議長と記載されているケースが少なくありません。できればそのような書式は避け、代理人の資格を管理規約で定め、自由に選べるようにした方がいいでしょう。資格の例としては「家族ら組合員と同居する者」「他の組合員か、またはその同居人」「賃借人ら組合員の住戸を借り受けた者」などが考えられます。
- Q
- その“議決権”というのは、どういうものですか?
- A
- 規約に別の定めがないかぎり、専有部分の床面積の割合による持ち分を「議決権」としています(法38条・14条)。区分所有法では、総会の決議はすべて区分所有者の数と議決権の両方の基準で行い、両方の基準で可決した場合のみ有効であるとしています(法39条1項)。それは、各戸の専有面積にかなりのばらつきがあったり、一人で複数住戸を所有していたり、逆に数人で一つの住戸を共有していたりで、区分所有者の数とそれぞれの共有持ち分の割合が一致していない場合、両方の基準で決議しないと公平性が保てないという考えに基づいているからです。
- Q
- ところで、総会の出席者が少ない場合はどのようにしたらいいですか?
- A
-
即効的な得策はありませんが、日常的に管理組合の業務や維持保全の現状について広報活動し、管理組合員としての意識を高めることです。また、自治会のような組織で居住者同士の親睦ができるような楽しい行事を管理組合活動と併せて行うといいでしょう。
居住者間に親密なコミュニケーションがあると、会にも出席しやすくなるはずです。
(次回は総会議事録の作成や総会の設立要件および議事の決定方法などを取り上げます)