Q&A

2. 登記上の問題

管理員住宅の廃止と転用
ご質問の管理員住宅は規約による共用部分として登記されています

1.
その建物には、建物表題登記があり、建物表示登記として所在地番・家屋番号・種類・構造・床面積、規約設定により共用部分である旨の登記がなされていますが管理員住宅は規約による共有部分のため所有者の表示がありません。
2.
 通常、マンション分譲業者が専有部分を分譲していく場合その敷地の所有権を割合的に各専有部分に貼付けていきます。
 敷地権というのは専有部分と一体化している敷地利用権で登記があるものです。 
 土地については建物と一体化している敷地利用権があるということを公示するために敷地権たる旨の登記がなされています。
 敷地の表示は敷地権の目的たる土地の表示、区分した建物の表示、敷地権の表示として、所在地番、地目、地積、敷地権の種類、敷地権の割合が登記されています。
管理人室を売却する場合には

(1) 共用部分の廃止の規約変更をしなければなりません。規約変更は総会の特別決議により議決権の4分の3の賛成が必要です。
(2) 登記の添付書類として上記総会決議書(規約廃止証明書)を添付します。
1. 区分建物表示(表題部) 変更登記により共用部分の廃止
2. 所有権保存登記 所有者名義
3. 区分建物表示変更登記 管理員住宅から居宅に種類変更
4. 区分建物表示変更登記 敷地権の設定
以上1. 2. 3. 4登記手続きがいります。 
 もともと管理員住宅は共用利用でしたので所有権保存登記で所有者をだれにするかきめなければなりません。
 (イ)区分建物全員名義に?
 (ロ)理事長名義に?
 (ハ)管理組合で管理組合法人設立 登記し法人名義に?
 (イ)にした場合区分建物所有者の担保権者より追加担保設定登記を求めてきます。各区分建物所有者が担保権者との間で書類のやりとり等で相当な時間や手間、追加担保設定費用が必要となります。

売却する場合は権利証のほかに次の書類がいります

 (イ)の場合は全員の印鑑証明書と担保権者の抹消承諾書
 (ロ)の場合は理事長の印鑑証明書
 (ハ)の場合は法人の印鑑証明書
 総会の議事録 等
 いずれにしても区分所有者や担保権者の理解と協力がなければ不可能です。特に(イ)の場合は日数がかかりますし、一人でも協力が得られなければ売却はできません。また売買、賃貸するにしても税金等にも配慮する必要があります


司法書士 沖 健補