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マンションらいふあっぷ基礎講座

【第3場面】議案(第1号〜第3号)事業報告、決算報告、監査報告
 (未収金の扱い、滞納問題、駐車場収入を管理費に充当する問題) (写真)
ポイント
収支決算報告における未収金の扱いについて
解説
 賃借対照表の「未収金」は、管理費や水道・光熱費、修繕積立金、駐車場使用料など本来3月末日の決算時期までに収入すべきものが入金できなかった場合に貸借対照表に計上されます。一方、管理費や修繕積立金会計の「収入の部」には、実際に入金があった金額を記載するのではなく、入金すべき金額を記載します。
 その理由は、管理組合の決算報告の目的は、1年間の活動の結果としての収支報告と、来年度以降へ繰り越す財産を区分所有者の皆さんに報告することにあります。つまり、皆さんから支払われた管理費や修繕積立金がどのように使用されたのか、また残っている金額はいくらなのか、その金額はどのように管理運用されているのかを報告することにあります。
 なお、大規模修繕工事がある場合は、一度にお金を支払うことはありませんので、工事が全部終わるまでは、着手金や中間金は前払金として賃借対照表に表示することになります。
 長期滞納の問題ですが、管理費や修繕積立金は、区分所有法で「特定承継人の責任」という項目があり、そのマンション購入者が滞納分を引き継ぐことになりますが、水道代は管理組合の立替金で、特定承継人へ請求できませんので、回収は立替金から優先する必要があります。
ポイント
駐車場使用料の管理費会計への繰り入れについて
解説
 管理規約に「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等にかかる使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる」と規定されています。
 駐車場の管理費が多額で、具体的な金額が分かるなら、そのかかる費用分は、管理費会計の支出の部に入れ、それに相当する部分を収入の部に入れて、総会での承認をもらっておけばいいでしょう。 【第4場面】議案(第4号〜第6号)大規模修繕計画について
 (修繕委員会の組織、同委員会運営細則の設置、専門家<パートナー>の協力)
ポイント
大規模修繕工事の進め方について
解説
 従前の区分所有法では、著しく多額の費用を要する共用部分の変更は、特別決議(4分の3以上の賛成)が必要とされていましたが、改正された区分所有法では、形状または効用の著しい変更を伴わないなら普通決議で可能となりました。ただし階段室をエレベータに変更したり(形状の著しい変更)、集会室を賃貸店舗にする(効用の著しい変更)などは、4分の3以上の特別決議が必要です。
(写真) いずれにしても大規模修繕は、皆さんの合意をもらってからも数年はかかるタイムスパンの長い事業です。ですからその間に、委員会を開いたら委員会の内容、理事会の内容などをこまめに皆さん方に公開していくことが大事です。後でクレーム等を出さないためにも、ぜひこれは実行してください。それと、建築士、弁護士、税理士その他さまざまな専門家をパートナーとして活用しながら、色々なシミュレーション、事例見学、資料の取り寄せを行ってください。
 また、修繕だけで終わらせずに、バリアフリーや宅配ロッカー、セキュリティ、IT化なども一緒に行えば付加価値が高まり、利便性や快適性が高まります。 【第5場面】議案第7号の新役員選任と閉会
 (終了後の議事録作成、広報紙等による総会報告)
ポイント
議事録の作成内容について
解説
 開会、議題、議案、それと討議の内容、評決の方法、最終的に閉会に至ったことを要領よくまとめます。つまり、それが後々にその経過が分かる程度に記載すればよいのです。もう一つ、各々の議案について成立したのか否かを記載する必要があります。まず総会当時の組合員の数と議決権の数を明記し、出席人数とその議決権の数、代理人等によって議決権を行使した組合員の数とその議決権数など、いわゆる総会の成立要件を満たしているかどうかが分かるような事項、それから各議案ごとに賛成組合数がこれだけあって成立したということを記載します。少なくとも普通決議の場合でもどういうような形で成立したかと後で分かるようなことは書いておく必要があります。そしてこの記事録の内容を、広報紙や掲示板で広報することも重要です。
ポイント
議事録の作成手段について (写真)
解説
 平成15年6月1日から施行された区分所有法の改正によって、議事録を例えばフロッピーディスクやCD-ROMで保管できるようになりました。その場合、議事録署名はデジタル署名を用います。
 また規約を改正したり、集会で決議をすれば、電子メールで議決権を行使したり、管理組合の方が参加できるホームページの中で議決権の行使をすることが可能になりました。
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