初の試みである「マンション管理Q&A」は、以下のように進められました。
- 大阪市マンション支援機構の構成団体である専門家団体より、専門分野に関連する問題を出題します。
- 専門家の方々の方から回答1と回答2をお答えいただきます。
- 会場の皆様は、回答1が正解だと思われれば赤の色画用紙を上げ、回答2が正解だと思われれば、青の色画用紙を上げます。
- 最後に専門家に正解の発表と、解説を行います。
全部で14問出題されましたが、ここでは紙面の都合上、5問に絞り、解説は省かせて頂きました。読者の皆さんもクイズに挑戦してみください。
(正解は、下段にあります)
左から
大阪弁護士会/五島 洋
(社)大阪府不動産鑑定士協会/笠井 靖彦
近畿税理士会/中島 一晶
大阪司法書士会/沖 健補
大阪土地家屋調査士会/和田 清人
(社)大阪府建築士会/川畑 雅一
あなたは、交通接近条件、場所的環境及び購入予算限度額内にあると思っている右記2物件のうち、どちらのマンションを選択しますか?
【回答1】 Aマンション
同時期に建てられたマンションで、物件の概要(面積・間取り・階数位置)がほぼ同じであり、価格がBマンションより安いということであれば、Aマンションを選びますね。おまけに、修繕積立金もBマンションに比べて低いのも魅力です。ただ、ペット禁止マンションのはずがエレベーターから犬を連れた婦人がおりてきたというのがやや気になりますが。
【回答2】 Bマンション
大規模修繕計画が決まっているBマンションは管理がしっかりしているように思います。修繕積立金の価格もBマンションの方が高いのですが、これから古くなるマンションにとって管理がしっかりしていることは資産価値の上でも重要だと思います。それに引っ越してすぐマンションのハイキングにも参加できそうだし。
【問題2】テーマ:管理組合が行うコンピューター講座の収益
私達の管理組合は、集会所を利用して毎週1回、組合員であるA氏を講師として、コンピューター講座を開催しています。A氏に支払う講師料を差引いても1回の講座につき、1万円程度の収入がありますが、この収入に対して法人税が課税されるのでしょうか。
【回答1】 課税されない
コンピューター講座の実施は収益事業ではないから課税されない。
【回答2】 課税される
1回の講座につき1万円の利益があれば、年間で50万円程度相当な利益が見込まれるので、法人税が課税される。 【問題3】テーマ:マンションの大規模修繕工事の設計・工事監理と施工業者の決定について
●管理組合理事長の佐藤さんの悩み
「ライフアップ」マンションの管理組合理事長佐藤さん任期中に大規模修繕工事を実施する時期が迫っています。どのように進めれば良いのでしょうか。
【回答1】 建築関係の区分所有者に任せる
「ライフアップ」マンションの区分所有者である田中さんが建築関係の仕事をされているから、あの人にお願いして施工業者を紹介してもらって、その業者が大規模修繕工事を施工し、設計と工事監理を田中さんかその紹介の人に任せればいいと思います。田中さんは区分所有者だから安心だし上手くいくに違いないと思います。よって「建築関係の区分所有者に任せる」案を理事会に諮ればいいと思います。
【回答2】 第三者の設計事務所に委託する
ちょっと回りくどいかも知れませんが、住まい情報センターでは分譲マンションアドバイザーの派遣をしてもらえると聞いています。管理組合の理事会としても勉強して、やはり第三者の設計事務所に大規模修繕の設計と工事監理を委託し、施工業者も設計事務所と管理組合とで相談の上、決定するべきだと思います。よって「第三者の設計事務所に委託する」案を理事会に諮ればいいと思います。 【問題4】
隣接地の所有者から境界確認の書類に理事長の押印を求められました。従来から境界杭も入っており境界そのものには異論はないのですが、押印するについて、管理組合としてどのような手続が必要なのでしょうか?
【回答1】 総会の決議の上でなければ、押印してはいけない。
土地の境界は、区分所有者にとって重要な事項だから、総会の承認が必要である。
【回答2】 理事会決議のもとに、押印すれば良い。
境界杭により以前から誰もが認識している事実であるし、それだけのために臨時総会を開く必要はない。 【問題5】
管理組合の役員である監事は、理事会で議決権をもつのでしょうか。
【回答1】 議決権をもつ
監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告する義務があるため、理事会の議決権をもつ。
【回答2】 議決権をもたない
監事は、理事ではないため理事会で議決権をもたない。
上記の問題に対する正解
【問題1】 → 2:Bマンション※(注)講座1〜6&ミニ講座1〜3の講師の役職、部署等は講演時のものです。
【問題2】 → 1:課税されない
【問題3】 → 2:第三者の設計事務所に委託する
【問題4】 → 2:理事会決議のもとに、押印すれば良い
【問題5】 → 2:議決権をもたない
←前へ